自身の経験を語りながら「がんは普通の病気」と話す垣添忠生会長(右)=5日、福井県福井市の県立病院

 日本対がん協会の垣添忠生会長(76)が4月5日、「全国縦断がんサバイバー支援ウオーク」の一環で、福井県福井市の福井県立病院を訪れ、県内のがん患者らと交流した。大腸がん、腎がんを経験している垣添会長は「がんは2人に1人がなっている普通の病気。がんに負けない社会をつくっていきたい」と呼び掛けた。

 同協会は昨年6月に「がんサバイバー・クラブ」を立ち上げ、全国の患者会情報を提供したり、交流イベントを開いたりしてきた。今年2月からは「支援ウオーク」と銘打ち、垣添会長が全国の病院を徒歩などで訪問している。

 この日は午前9時ごろにJR鯖江駅を歩いて出発し、午後2時半ごろに福井県立病院に到着した。交流会では、県内病院の患者会の会員13人を前に「がん患者は疎外感、孤立感、恐怖感にさいなまれている。でも、年間100万人ががんになり、60万人が治っている」と強調。治療薬が高価になっている現状も紹介し「予防と検診が大事」と話した。

 自身も二つのがんになり、さらに妻をがんで亡くした過去を打ち明け「自分の経験をいかに社会に還元できるかを考え、サバイバー・クラブを立ち上げた」と語った。

 乳がんを患ったある女性は「抗がん剤の影響でトイレで何度も吐いたら、夫に汚いと言われショックだった」、ある男性は「がんを知られたくなくて、公表できない人は多い。普通の病気であることをもっと県民に知ってもらいたい」と訴えた。垣添会長は「がん患者への差別は耐えがたい。私のようにがんになっても元気に社会復帰している人は多いという事実をもっとPRしていくことで、社会の理解は深まっていく」と答えた。

 福岡市から始まった支援ウオークは全国32カ所を回る計画で、7月の北海道がんセンター(札幌市)がゴールになる。
 

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