検問を行い、ひき逃げ死亡事件に関する情報提供を呼び掛ける福井県警鯖江署員ら=4月5日午後6時40分ごろ、福井県鯖江市

 福井県鯖江市新横江1丁目の市道で2008年4月、近くに住む80代男性がひき逃げされて死亡した事件は4月13日午前0時、自動車運転過失致死罪の公訴時効(10年)を迎える。県警鯖江署は逃走車の車種を絞り込んでいるが、容疑者の特定には至っておらず、5日夜には現場付近で事件発生と同時刻に検問を行った。遺族は「ささいな情報でも提供してほしい。犯人にはしっかり罪を償ってほしい」と訴えている。

 事件は08年4月13日午後7時ごろ、国道8号の東約100メートルのスーパーに面した直線道路で発生した。鯖江市で印鑑店を営んでいた小林邦男さん=当時(83)=が市道を横断中にはねられ、頭を強く打つなどして死亡。小林さんはスーパーで買い物をして歩いて家に帰るところだった。

 鯖江署は、逃走車両が左前部分を破損し、国道8号方面に逃げたとみて捜査。現場の塗膜片などから銀色のスズキ社製「キャリイ」「エブリイ」、マツダ社製「スクラム」の3車種の軽ワゴン車などを中心に捜査を進めている。

 小林さんの長男章さん(63)=同市=は3月、自動車運転過失致死罪の時効が迫っていることを警察から聞いて知ったという。「遺族にとっては殺人と変わらない。(2010年の刑事訴訟法改正で)殺人罪などは時効が廃止されたのに…」と悔しさをにじませる。

 逃げたことに対する道交法違反(救護義務違反)は公訴時効7年が既に過ぎている。自動車運転過失致死と救護義務違反の罪が適用された場合、併合罪での法定刑の上限は懲役15年だったが、現時点の上限は懲役7年となる。

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