中国の食品市場に掲げられているQRコード。スマホで読み取り手続きすれば支払いが完了する=3月、杭州市

 キャッシュレス社会が急速に進む中国。福井県の福井商工会議所国際ビジネス委員会が主催し、福井県内の経営者ら約30人が浙江省杭州市と上海市を訪れた視察に同行した。現地の状況をリポートするとともに、普及した背景や日本、福井での展望を考察する。

■決算アプリ 急速拡大

 「買い物だけでなく、光熱費や税金もスマートフォンのアプリで決済する。電車やバスにも乗れるし、高校生の娘の小遣いもスマホを通じてあげているよ」。浙江省商務庁職員の孟浩(もうこう)さん(48)は自慢げに話した。

 中国では支払いに現金を使わないキャッシュレス社会が進展し「支付宝(アリペイ)」「微信支付(ウィーチャットペイ)」といったスマホアプリの機能を使ったモバイル決済が主流となっている。店舗ではQRコードを活用して簡単に決済できるのが特徴だ。アリペイを運営する中国の電子商取引大手アリババグループによると、アリペイ利用者は中国の全人口の半数近い6億人に上る。

 主な決済、送金方法は(1)客側がスマホにQRコードを表示して、店側の端末で読み取る(2)店側のQRコードを客側がスマホで読み取り送金操作をする―の2種類。(1)はスーパーやコンビニなどで広まっている。(2)は特別な機器は不要で、店側はQRコードを印刷したものを掲示するだけでよく、レジシステムが整っていない市民向けの市場や露店などで活用されている。

 いずれの方法も、クレジットカードより安価な手数料、もしくは無料で利用できるという。消費者は、アプリに中国の銀行口座やクレジットカードを登録し、お金をチャージするなどして利用する仕組みだ。

 モバイル決済はここ数年で急速に広まり、現金を受け付けない店も現れているという。日華化学(本社福井市)の中国法人に2年前に赴任した友田裕一さん(47)=同市出身=は1年前から決済アプリを使い始めた。「スマホ1台あれば生活できる。財布は念のために持ってはいるが、ほとんど使う機会はない」

 上海市で日本料理店を営む鈴木るみ子さん(33)=福井県鯖江市出身=は、時代の流れを感じ1年ほど前にモバイル決済を導入した。「うちの店は日本人客が多く、利用率はまだ5割ぐらいだが、どんどん増えている」

 路上ミュージシャンがQRコードを掲示しスマホで投げ銭してもらうこともあるとか。モバイル決済は中国のさまざまなシーンで広く根付いてきている。

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