がん転移を見落としたとして遺族から提訴された福井県立病院=2016年7月撮影

 ぼうこうがんの骨への転移を医師が見落としたため死期が早まったなどとして、福井県福井市の福井県立病院で治療を受け死亡した男性の三重県に住む遺族が28日までに、福井県に慰謝料など計3千万円の支払いを求める訴訟を津地裁に起こした。提訴は2月10日付。

 訴状によると、男性は福井県内の工場に勤務していた2016年7月、同病院でぼうこうがんと診断され、同11月に摘出手術を受けた。男性はその後、股関節の痛みなどを訴え、17年2月にコンピューター断層撮影(CT)を実施。担当の医師は「異常なし」としてリハビリを指示した。

 しかし、男性は歩行困難になるなど体調が悪化し、同3月に再び行ったCT撮影で骨転移が判明。担当医は前月のCT画像で転移を見落としていたことを認めた。男性は約3カ月後に57歳で死亡した。

 遺族側は「見落としにより治療が遅れ、症状が著しく悪化した。(痛みを抑える)麻薬を投与されることもなくリハビリに通い、計り知れない苦痛を受けた」などと主張。転院を予定していた病院に送る診療録などの書類を、誤って一般家庭にファクス送信するミスもあったとしている。

 県立病院は「係争中につき、コメントできない」としている。

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