福井地裁=福井市春山1丁目

 福井県大野市の寺で僧侶として務めていた同市の男性(67)が檀家らを接待する慰労会中に本堂の石段から転落、障害を負ったとして、国に労災認定を求めた訴訟の判決言い渡しが3月28日、福井地裁であり、林潤裁判長は男性の請求を棄却した。僧侶が「労働者」に当たるかについては判断を示さなかった。

 判決理由で林裁判長は「事故当時、多くの檀家は帰宅。気心の知れた檀家2人と自らの意思で飲酒を続け、私的な親睦会の要素が強い」と指摘。「飲酒の影響によって転倒した可能性も否定できず、業務と事故によるけがとの因果関係は認めることができない」とした。

 判決などによると、男性は1977年ごろから僧侶として寺の施設管理や住職の補助などに従事。2012年4月、檀家を接待する慰労会に出席、本堂前の石段下で倒れているのが発見された。男性は頭を打ち、高次脳機能障害と左半身まひの障害を負った。

 男性は13年1月、大野労基署に労災認定を申請。労基署は男性を「労働者」とした上で、宴席は公式行事後の慰労だとして認定しなかった。その後、男性は福井労働局に審査請求したが「労災保険法上の労働者に該当しない」と棄却された。

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