たんなんFMのアンテナの下で、プリウスPHVに放送機材をつなぎ生放送を行う菅原藤理理事長(左)と中道正康社長=27日、福井県鯖江市西山公園

 福井県丹南地区でコミュニティーFM「たんなんFM」を放送するNPO法人「たんなん夢レディオ」(福井県鯖江市、菅原藤理理事長)とネッツトヨタ福井(本社福井市、中道正康社長)は3月27日、災害時の電源供給に関する協定を結んだ。災害で停電が発生した際、同社がプラグインハイブリッド車(PHV)の「プリウスPHV」を電源として提供し、FM放送に使用する。同法人は「災害時に情報発信する使命を果たしたい」としている。

 同法人は福井豪雨の翌年の2005年、災害時の情報提供などを目的に設立。鯖江市を中心としたエリアで情報番組などを放送している。

 プリウスPHVは大容量のバッテリーを搭載し、フル充電でガソリン満タンの状態で2日間、安定して電気を供給できるのが特徴。専用のコネクターを車の充電口に接続することで、コンセントとして使えるようになる。

 協定は、プリウスPHVを災害時に活用できないかと同法人が提案、同社が賛同し実現した。災害時、鯖江市本町2丁目にある同FMのスタジオが停電などで使用不能になった場合、同社から車を電源として借り受け、安全で適切な場所から災害情報の提供を続ける。両者によると、このような協定は全国的にも珍しいという。

 この日は、災害時を想定した訓練放送を、同FMのアンテナがある鯖江市西山公園から行った。同法人が放送機材を持ち込み、同社がプリウスPHVを乗り入れて臨時放送局を開設。車の充電口と機材をつなぎ、午前9時からのレギュラー番組「あさラジ」を約2時間放送した。番組内で締結式を行い、菅原理事長と中道社長が協定書にサインした。

 菅原理事長は「課題だった有事の電源確保につながる。災害時の情報収集の手段としてラジオは有効で、住民の安全安心に貢献したい」と意気込んだ。中道社長は「車といえば安全性や燃費が注目されるが、電気を供給できるという機能も知ってもらえれば」と話していた。

関連記事