昨年発覚したJA福井市の巨額着服事件を受け、総代会の冒頭で一斉に頭を下げる役員や職員=25日、JA福井市本店

 昨年8月に発覚したJA福井市の元職員による1億6千万円に上る巨額着服事件について、同JAは25日の通常総代会で、4月中にも業務上横領容疑で元職員を刑事告訴する方針を明らかにした。金利分などを除く実質損害額は約1億2700万円で、元職員や家族からの未回収額は約2700万円だと説明した。

 元職員は支店勤務だった40代男性。顧客に定期積金を一括払いにさせ、実際は月払い契約にして差額を得るなど過去15年間で推定1億6千万円を着服・流用し、昨年9月に懲戒解雇された。同JAは、書類などで裏付けの取れた被害の一部について告訴する。

 1月には被害に遭った1家族と福井簡裁の調停で和解が成立し、損害額が確定した。元職員と家族から、土地売却などにより約1億円を回収した。引き続き本人や家族、身元保証人から回収を進めるとしている。

 総代会の冒頭、経営管理委員会の長谷川忠夫会長が組合員らに対し「多大なご迷惑とご心配をお掛けした」と述べ、役員や管理職員計約55人が頭を下げて謝罪した。同JAによると、これまで自主的に常勤役員は報酬減額10%(3カ月)、非常勤役員は同(1カ月)とした。管理職を中心に職員24人は減給などの懲戒処分にした。

 組合員からは「横領は15年間にわたっているが、過去の役員はどう責任を取るのか」と質問があり、JA側は「(12月に設置された)役員責任調査委員会で、管理監督責任の範囲などを審議している」と説明した。

 事務手続きや内部検査など、再発防止策70項目も報告された。

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