外観と骨組みの建築構造に一体感がないことが分かった丸岡城天守(坂井市丸岡城国宝化推進室提供)

 福井県坂井市の丸岡城天守の国宝化へ学術調査を進める研究委員会は23日、同市国宝化推進室で本年度の調査の成果を発表した。天守の建築構造について研究委は「外観と骨組みに一体感がない」との認識を示した。全国でもあまり例がないという。

 研究委は市が設置、福井工大の吉田純一客員教授が会長を務める。2015年度に調査を始め、3年目の本年度は、彦根城や高知城などでの類例調査や丸岡城天守北東側の発掘などを行った。

 研究委によると、天守の外観は、下層部の建築後に物見台など「望楼」部分を載せる「望楼型」。一方で、柱など骨組みの構造には、下層部と上層部を一体的に組み上げる「層塔型」の特徴があるという。

 望楼型は1615年の一国一城令以前の城に多く見られ、一国一城令後に建てられた城はほとんどが層塔型という。吉田会長は「天守の外観と骨組みの建築構造に一体性がない天守は全国でほとんど例がない。建築年代の特定も含め、引き続き調査を進めたい」とした。

 研究委はまた、1階に天守の入り口がある構造になっていることや、最上階の開口部が小さいことから、見張り台や武器庫の機能を持つ櫓(やぐら)の特徴が色濃いとし、類似する建築例として高松城(高松市)の月見櫓や弘前城(青森県)の未申(ひつじさる)櫓を挙げた。

 天守の柱には今も江戸期の木材が6割以上使われているとし「福井地震で被害に遭いながら、これだけの古材が使われていることは評価に値する」としている。

 研究委は新年度も調査を行い、来年3月に4年間の研究成果を冊子にまとめる。

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