最新鋭の血管造影装置などを備えたハイブリッド手術室=22日、福井市の福井県立病院

 外科手術とカテーテル治療を同時に行うことができる福井県立病院の「ハイブリッド手術室」が完成し、22日報道陣に公開された。同病院では「特に血管に“こぶ”ができる大動脈瘤(りゅう)や脳動脈瘤などの血管内治療が、より安全で高精度にできるようになる」と話している。4月から運用する。

 ハイブリッド手術室は4階に整備され、広さは83平方メートル。同病院によると、福井循環器病院、福井大医学部附属病院に次いで県内3施設目。最新鋭の血管造影装置や麻酔装置、人工心肺装置、手術用顕微鏡、開頭手術のための装置、4Kの高画質大型画面などを備えた。総事業費は約7億4千万円。

 これまでは大動脈瘤などで手術が必要になった場合、1階の血管造影室に全身麻酔装置を持ち込んだり、4階の手術室に簡易型の血管造影装置を持ち込んで手術をしていた。血管造影室から緊急で患者を手術室に運び込むこともあった。

 ハイブリッド手術室では、血管造影中に血管が破裂するなど合併症が起きた場合でも、すぐに手術に移行できる。こぶが大きく血管破裂の危険性が高い患者らは、あらかじめハイブリッド手術室を使う。今後、大動脈瘤や脳動脈瘤のカテーテル治療、開頭、開胸手術などで年間約150例の利用を見込んでいる。

 例えば大動脈瘤は破裂すると死に至る可能性が高く、「ステントグラフト」という人工血管を、カテーテル(細い管状の医療器具)で大動脈瘤に運んで据え付け、破裂を抑える治療などが行われている。ステントグラフト治療には高性能な血管造影装置が必要だが、完成した手術室を使えばより精度の高い治療が可能になる。

 吉川淳副院長(60)は「リアルタイムに高精度な体内の透視画像を得ることができ、手術をより安全、迅速にできるようになる。患者さんの負担軽減につながる」と話している。

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