福井県敦賀市市野々町1丁目、市野々町2丁目

 ■複雑住所、地租改正の頃の名残

 「野神○―○(木崎)」「三島×―×(長沢)」「莇生野△―△(萩野町)」…。敦賀市内には住所の最後にかっこ書きを付けるところが多い。全国でも珍しく、転入者や郵送する市外の人らが疑問に感じることだ。

 市総務課の担当者によると、かっこ書きが付く住所は昭和50~60年代に宅地開発された郊外の地区が多い。町内会(行政区)が新たに形成される一方、区画整理や町名地番整理が追いつかず、土地名の大字が昔の登記簿のままになっているためだ。

 かっこ書きは、大字の表記だけでは周辺の行政区と間違いやすく、郵便物の誤配や市外の人の混乱を招くとして、市が独自に住民票などに表記している。

 同じ区内で大字が複数混在したり、別の行政区の大字が登記されているのは、明治時代の地租改正の頃の名残が原因の一つという。「昔の土地名の付け方は、今の市野々町2丁目に田んぼがあった場合、例えば公文名に住む人が所有していたら公文名とするなど、土地所有者の住所の大字で登記したらしい」と担当者。

 市はかっこ書きが付く住所を解消しようと長年、町名地番整理を進めているが、対象となる区の総意を得るのは難しく、なかなか進まない。現在の住所で慣れ親しんでいるとの声があるほか、事業所の場合は法人登記の変更などで費用が発生するからだという。

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