10年以上前、手や足の裏に水疱状のものができ、病院に行ったところ「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」と診断されました。鎖骨付近に神経痛のような症状も現れ、ビオチン、ビタミンを配合した薬を1年半ほど飲んで治しました。しかし、ここ最近、また同じ症状が出るようになりました。この病気を完全に治す方法はあるのでしょうか。上手な付き合い方や最新治療などについて教えてください。(福井市、45歳女性)

 【お答えします】横田日高・福井赤十字病院皮膚科副部長

 ■慢性炎症、金属アレルギーなど影響

 掌蹠膿疱症は、主に手のひらや足の裏に膿疱と呼ばれる小さな膿(うみ)のかたまりが多発する病気です。ただ、この膿の中に細菌(ばい菌)や真菌(カビ)などの菌はいませんので、手足から他の部位へ感染することはありません。他人に感染することもありません。相談者のように鎖骨や胸骨付近の関節に炎症が起こる場合もあります。

 原因に関しては完全には分かっていませんが、扁桃(へんとう)炎や虫歯や歯周病などの慢性炎症があると掌蹠膿疱症が生じることがあります。従って、自覚症状がなくても、耳鼻科や歯科の診察を受けた方がよいと考えます。

 また、歯科金属(パラジウムなど)による金属アレルギーも原因の一つと考えられています。皮膚科ではパッチテスト(疑われる金属を実際に皮膚に貼ってアレルギー反応が出るか確認する検査)を行い、金属アレルギーの有無を確認します。金属アレルギーがあれば歯科医師と相談し歯科金属の交換を考慮します。

 ■難治例はビタミンA誘導体や紫外線で治療

 掌蹠膿疱症の患者さんは喫煙者が多いとされています。もし喫煙をされているのなら、禁煙を強くお薦めします。掌蹠膿疱症の治療ですが、先の原因をまずは取り除きます。それでも改善がなければ対症療法を行います。最も基本的な治療としては、炎症を抑えるステロイド軟膏(なんこう)やビタミンD軟膏を使います。相談者のようにビタミンB群に属するビオチンの内服を併用することもあります。

 難治例では、ビタミンA誘導体の内服や紫外線療法を施行します。紫外線療法に関しては最近、病変部のみに紫外線を照射する機器が開発されています。完全に治す方法があるかという点では、治療に抵抗があることも多く一筋縄ではいきません。しかしながら、長い目で見るとほとんどの患者さんが自然に軽快します。治るまでの期間は個人差がありますが、平均で3年から7年程度と報告されています。症状をコントロールするために定期的に皮膚科を受診し、最適な治療を受けられるのがよいかと考えます。
 

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