チェッカーズ『オリジナルアルバム・スペシャルCD BOX』

 デビュー35周年を記念したオリジナル盤10枚組。巻き帯やボーナス曲のない簡素な復刻だが、全作大ヒットのアルバムが単価千円を切るなんて日本盤では初めてではないだろうか。

 発表順に聴くと、初期のアイドル的な作風から後期の凝ったバンドサウンドへの変遷が明解。4作目の『FLOWER』は、その狭間ゆえの反骨精神からか、『Long Road』『時のK-City』など懸命で熱いセルフ・プロデュース曲が印象的。

 最も意外なのは6作目『SCREW』か。社会にも切り込んだ歌詞や、素直なバラード、子どものコーラスや民族楽器を取り入れた演奏など、歌詞も曲調も編曲もここで持ち駒が一気に増える。この流れで聴くとシングルの『Jim&Janeの伝説』もヤンキー系青春映画が鮮明に浮かび、本アルバムが10作中最低セールスだったとは思えぬほどだ。

 他にも、シングル未収録で勝負したアルバムも聴きごたえ十分。本BOXをキッカケに、ジャンルに関係なく音楽をより楽しめるはず。

(ポニーキャニオン・9000円+税)=臼井孝

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