猫にゆかりのある作家たちを紹介する企画展=福井市橘曙覧記念文学館

 夏目漱石や佐野洋子ら猫にゆかりが深い、明治から現代までの作家12人の作品や猫にまつわるエピソードなどを紹介する企画展「作家と猫」(福井新聞社後援)が、福井市橘曙覧記念文学館で開かれている。自由気ままな猫と心を通わせる作家の様子を書籍などから感じ取ることができる。5月13日まで。

 近年の猫ブームをきっかけに、文学に興味を持ってもらおうと同館が企画。各作家の猫に関する文学作品などの一節をパネルで紹介し、小説や絵本などの書籍や作家と飼い猫を撮った写真などを展示している。

 夏目漱石は、小説「吾輩は猫である」のモデルになった飼い猫が亡くなったことを弟子らに伝えた手紙「死亡通知書」で「会葬には及ばない」と記している。猫を人間のようにとらえ、深い愛情が感じられる。

 漱石の弟子、内田百閒(ひゃっけん)は飼い猫が行方不明になった悲しみを随筆「ノラや」につづった。「(猫を)写真に撮つておけばよかつた」と嘆き、新聞に捜索の折り込み広告を何度も挟んだ。大きな悲しみ方から溺愛ぶりがうかがえる。

 このほか、橘曙覧の「独楽吟」になぞらえて、作家の井本猫良(ねこら)が猫目線の日常の楽しみを詠んだ「猫楽吟」から4首を紹介。「たのしみは紙を広げて読む人の前に座りて目顔みるとき」など、猫を飼っている人なら共感してしまうユーモラスな歌が並んでいる。

 入館料は100円。会期中は無休。

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