国会議員に拉致問題の解決を要望する地村保志さん(右から3人目)ら=12日、東京都内

 ■政府の後押しを

 政府は3月7日、加藤勝信拉致問題担当相と林芳正文部科学相の連名で、拉致をテーマとした映像作品を活用した授業を小中高校で実施するよう求める通知を、都道府県知事や教育長らに出した。問題を風化させないとの意思を北朝鮮に示す狙いがある。

 風化の懸念は、地村さんも各議員に伝えた。「(2002年に)僕らが帰ってきた話が昔話みたいになっている。世代が代わってきている」「小中学生への啓発活動に協力していきたい。政府の後押しもお願いしたい」。ある国会議員は面会後「当事者である地村さんの声は重い」と神妙な面持ちだった。

 ■被害者に気遣い

 地村さんが拉致されたのは1978年。政府認定の17人は77~83年に拉致されている。被害者家族だけでなく、被害者本人の高齢化も進む。

 議員や加藤拉致問題担当相に面会後、地村さんは「(北朝鮮に残る)拉致された人たちの健康状態が心配」と気遣った。帰国から15年たち、地村さんは「一向に問題が進展しない状況を、被害者たちはどう思っているだろうか」と関係者に打ち明けている。

 米朝首脳会談に南北首脳会談…。日朝首脳会談すら取り沙汰されるなど、北朝鮮をめぐる動きが慌ただしくなってきた。ある議員は「波風がたったときこそチャンス。まさに今」と強調した。一方、地村さんは「期待は大きいが楽観視はできない。とにかく政府には結果を出してほしい」と力を込めた。

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