◆福井における男児の成長への贈物「天神様」

 では女児の成長への贈物は?

 ここ近年になかった今年の豪雪も、夜を徹しての除雪にご尽力くださった多くの方々の取り組みもさることながら、一進一退のもどかしくもありながらも、その漂う風に微かに薫る水もぬるむ春の訪れもあって、あのどこもかしこも壁のように立ちはだかってすごかった雪の壁も、目に見えて消えていっております。そして、3月3日上巳の節句・ひな祭も既に過ぎてしまいました。

 月日のたつのは実に早いものです。あれはもう2年前?のことになるのでしょうか。母の実家の従兄の長男で家継ぎの人がまだ療養中ながらも元気だった時のことです。朽ちかけた古い蔵の始末に心煩わせながらもその整理にあたっていた時でした。本人から「福井新聞」の創刊号をはじめとする何号かの新聞も倉から出てきたという連絡がありました。

 確認していただくためにすぐに連絡を取って新聞社の方に母の実家に来ていただきました。蔵のなかに案内して新聞を見ていただいているとき、その家継ぎの人がこんなものもしまってあったといって、「玉手箱」と称して私が伯母から受け継いだ小箱と同類の小箱を出してきました。‘あっ!玉手箱’思わず私はそう声を発してしまいました。思いがけない時に思いがけないものが出てきたので驚いてしまったのです。

 でも、この家に「玉手箱」と称するこの小箱があっても何の不思議はないのです。出所は確実に伯母が嫁いだこの家から始まっていることなのですから。しかし、その場に私がいなければ、それが何であるのかは誰もわからなかったことと思います。それまで誰も何も伝えられていなかったからです。伯母からの「玉手箱」について私に伝わっていることを簡単に説明すると、側におられた新聞社の方が、「女の人にはお雛様では?」と私に聞くともなく言われました。その時、とっさに、私は『ホツマツタエ』という古文書についての解説本に書かれてあった「雛祭り」についてのことが思い浮かんできたのです。

 『ホツマツタエ』という古文書は学問の世界では正統な文献としてはまだ認められてはいないものだそうです。ですから、そのことを含めて書かれていた雛雛祭りの由来についてお伝えしようかと思ったのですが、その場ではお伝えすることを控えました。それ以来、その時のことは、何かと心にかかっていました。私が持っている本のどこを読み直したらそれについて書かれてあるのかは知ってはおりました。しかし、今日までまだ読み直して確認するまでには至ってはおりませんでした。そこまでの必要に迫られていなかったからだと思います。

 『ホツマツタエ』という世界の本との出会いは、もう何十年前のことか思い出すこともできないくらいの前のことです。

 当時、確か「ひまわり書店」という本屋さんが、福井駅前にありました。今では駅前もリニューアルしてすっかり様変わりしてしまいました。が、駅に向かって少し下がった、右手に2,3軒の食堂がある路地があって、その路地の行き当ったところにその「ひまわり書店」がありました。その書店の斜め前辺りに「かゞみや」という贈答品のお店があったとおもうのです。その書店には地下があって、地下への階段を下りていくと、そこは密室的、包まれた空間でなんとなく居心地よく、電車で出かける待ち時間とか、たまに駅前に出かけたときの一時をよくそこで過ごしたものです。そこではなぜか何冊かの不思議な本との出会いがあったのです。

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