「違い」のコラボレーションが新しい価値を生みだす?

◆役割分担

驚きました。ここで「役割分担」という言葉が出てきたのです。「責任マン」の人たちは、責任を果たすことにやりがいを感じているし、楽しんでいるから、できないのであれば任せてくれれば問題はないと言うのです。しかし、それを正直に伝えてくれないと、分担した役割や作業がどうなっているのか気になってしまい、ストレスになってしまうというのです。

無責任な人たちは、実はそれを自覚していることが多く、負い目があるからこそ逆に「できる」と言ってしまいがちですが、逆効果だということです。ここで大切なのは、素直にできないことを伝え、「責任マン」に助けてもらうことなのでした。でも、そんなことをしていたら、「無責任マン」の価値はなくなり、地域活動の居場所を失ってしまうのではないか…?

ある「責任マン」が、こんなことを話してくれました。「僕たちは責任を果たすことを大切にしているから、今までにやったことのないことや、結果の予想できないことはできるだけ考えない、踏み込まないようにする癖があるんです。だから、新しいアイディアをつくるのは苦手なんです。それを、どんどん気軽に口にできる人は素晴らしいと思うし、そういう人たちに活動を盛り上げてもらいたい。あとは、その思いついたことをどうやって進めていくのか、具体的なことは任せてくれればいいんです」。これが、「役割分担」の意味するところでした。

◆共存から生まれる「新しい価値」と「感謝」

たしかに、お金をもらう仕事ではないからこそ、責任を気にせずにやりたいこと、やれること、そして思いつくことがあると思います。そして、そこからみんなの新しい「楽しさ」や場の価値がゆるく創造されることもあるのだと思います。しかし、ただ思いつくだけでは何も実現しません。そして、ただ楽しいだけでも、地域やその場に「新しい価値」は生まれません。「責任」の「無責任」が共存し、それがコラボレーションすることで、社会に、今まで見たことのない不思議な付加価値を生み出すのです。でも、ここで決して忘れてはいけないことがあります。それは、やっぱり「責任マン」の人たちは、たくさん役割や仕事を引き受けてくれて、尊くて素晴らしい人たちであるということ。「無責任マン」の人たちは、自分たちの持つ個性や得意分野のこと、そして苦手なことや不完全な部分ををきちんと表明し、ときには頭を下げてお願いし、なによりも、感謝の気持ちを忘れてはいけません。

僕たちがつくる「ゆるパブリック」という活動体は、その難しくて魅力的なコラボレーションの重要性に気づき、相反する価値観やスタイルをバランスよく共存させていくことをいつも大切にするようになりました。

具体的には、日常的なコミュニケーションのあり方から見直すようにしました。例えば、毎月みんなが集る定例会議では、最近あった出来事などをお菓子を食べながらダラダラ話し合える「ゆるい」時間と、話し合うべきべきことをしっかりと話し合って役割分担や計画を明確にする「かたい」時間の両方を必ず儲けるようにしています。新しい活動に取組むときも、それぞれ得意・不得意をお互いに理解し、時にはそれを笑い飛ばしながら「違い」が共存することで常に変化・発展する仲間関係を目指しています。(筆者:若新雄純)

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 【ゆるパブコラム】福井の若者や学生、公務員、起業家、経営者、研究者などがゆるくつながり活動する一般社団法人ゆるパブリック(略称:ゆるパブ、2015年福井に設立)が、さまざまな視点から福井のまちの「パブリック」に迫ります。ゆるパブメンバーを中心に執筆中。

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