好評だった夜の海の生き物を観察するナイトシュノーケル=2017年8月、福井市の越廼海水浴場

 減少傾向にあった福井市の越前海岸エリアの観光入り込み客数が、2015年からじわじわと増加に転じている。市は地元住民や事業者による催しや体験などの誘客活動、情報発信が実を結びつつあるとみる。しかし現場の実感はまだ乏しく、事業者らは「北陸新幹線県内開業までに、越前海岸の存在感を高めたい」と一層の連携を目指している。

 06年に約76万3千人だった入り込み客数は、海水浴離れの影響で次第に減少。週末の悪天候が目立った14年は約44万9千人に落ち込んだ。しかし15年は約47万人、16年は約48万2千人と少しずつ持ち直している。

 15年3月に飲食店や宿泊施設などの事業者が集まり、越前海岸盛り上げ隊を結成。おしゃれなデザインが目を引くガイドマップやホームページを作り、画像をふんだんに使って食、体験、宿泊施設をPRしている。昨年はタコかご漁、沢登り、ナイトシュノーケルといった体験イベントを初めて開催した。

 カヌー、海女桶乗りなど多彩な体験が楽しめる「来て見て国見フェア」、クラフトマーケット「海辺の手しごと市」も定着。鷹巣観光協会は15年から、夏場の海開きに合わせ海水浴場にハマグリをまき、無料でハマグリ採りが楽しめるようにした。

 市おもてなし観光推進課は「これら地元事業者の取り組みの相乗効果が、入り込み客数の底上げにつながっているのでは」と分析する。

 しかし、盛り上げ隊隊長の長谷川渡さん(41)=福井市=は「現場としてはまだまだ客数の増加を実感できていない」と話す。北陸新幹線開業に向け、おもてなし体制の磨き上げが必要だとし「さまざまな職種の事業者が一体となり、海での体験活動と食事がセットで楽しめるような仕組みを整えていけたら」と、連携強化に意欲を見せた。
 

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