子どもの自殺再発防止に向け、教育相談業務担当者を対象に開いた研修会=22日、福井市

 福井県池田町池田中の当時2年生の男子生徒が自ら命を絶ってから1年。調査委員会の報告書は、再発防止に向け学校の教員だけでなく、地域の人材の参画による「チーム学校」の取り組みを求めた。県教委は、池田町が打ち出した「学校と地域社会の連携強化」に足並みをそろえ、「地域に認められる学校づくりを支援していく」(県教育政策課)と、全県下で地域の人材と一体となった学校運営を進める方針。ただ、問題をきっかけに始まった取り組みは緒に就いたばかりで、教育界や地域全体への幅広い浸透ときめ細かい検証が今後求められる。

 地域連携で鍵になるのはスクールカウンセラーや養護教諭の役割だ。県教委は2018年度、地域人材として児童生徒の悩みを受け止めるスクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)の増員を図る。小中学校に配置するSCは10人増やし90人とし、現在週1回訪問している中学校では、時間や回数を拡充。SSWも福井、敦賀、鯖江の3市の担当者を1人ずつ増員して県内全体で23人体制とし、相談体制を強化する。

 SCら増員の予算案を発表した2月16日の記者会見で西川一誠知事は、池田中の問題に対し「地域全体で学校を支え、みんなでいい学校をつくっていくというきっかけにする必要がある」と強調。同19日の県総合教育会議では、地域の人材と学校との「意思疎通、意見交換が重要だ」と、運営面でも改善を図る必要性を示した。

 地域の人材とともに、重要性がクローズアップされたのは養護教諭だ。調査報告書では、自殺した生徒が保健室を訪れる日が増えたことを指摘しており、県教委は、子どもが悩みを打ち明ける「保健の先生」の存在を重視。養護教諭を要として、生徒指導主事と生徒の個別指導計画策定に当たる特別支援教育コーディネーターの教諭との3者合同の研修を18年度に初めて実施する。

 県総合教育会議で西川知事は、池田中の問題を受け「町だとか、学校だとかいう話で終わってはいけない」と述べ、福井県の教育全体の転換点にする必要があるとの認識を表明した。

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