コンクリートブロックのマスに入れられた犬=2017年12月、福井県坂井市内(県内動物愛護グループ提供)

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 県は昨年11月末から計10回の立ち入り指導を実施。狂犬病予防法違反について「注射は県外の獣医師がしたことを確認した」「登録義務を業者が認識していなかった。4月中に全頭の登録手続きを終える予定」とする。

 動画という「証拠」を元に、同協会が指摘する動物愛護管理法違反(虐待)について県は「問題がないことはないが、1人当たり何匹まで、という基準はない」とする。「既に100匹を県外業者に譲渡した。繁殖をやめ、250匹からさらに50匹減らすと聞いている」ことから「是正に向かっているのであれば、見守っていく」との考えだ。

 県内の動物愛護グループは「最も問題なのは、命ある動物と思えない飼育をしていること。虐待する業者をなんとかしてほしい」と主張する。

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 これまで業者による動物虐待疑いの問題について、全国的には、注射や登録の有無で立件できる狂犬病予防法違反による「“別件逮捕”が多かった」と指摘するのは、岡山市の「ペットを売らないペットショップ・シュシュ」マネジャー澤木崇さん。反愛護的行為そのもので摘発が困難なことを「虐待の定義が定まっていない現行の動愛法が、骨抜きであることの裏返し」と話す。

 「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」理事長の女優杉本彩さんは「飼育頭数に対して何人が必要か、母体の出産回数などの制限、飼育スペースなど基準の定義明確化で行政や警察も動きやすくなる。実効性を上げる法改正が必要」と訴える。

 県内の動物愛護グループメンバーに対し、立ち入りした県坂井健康福祉センターの獣医師は「『あれ』を虐待と判断できる行政マンはいない」と明言したという。今年は5年に1度の動愛法改正がある。今春から本格化する予定の国会議論が注目される。

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