集落前に広がる水仙畑に立つ山下恒和区長(左)と住民たち。高齢化が進む地域の将来が心配だという=3月2日、福井県越前町血ケ平

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 水仙は長年栽培を続けると球根が密集したまま分球し育ちが悪くなるため、数年に1度植え替える「改植」が不可欠。しかし暑い梅雨時の急斜面で手作業で行う必要があり、かなりの重労働だ。80歳前後のお年寄りや仕事の合間に通ってくる子ども世代は、草刈りをするので精いっぱいだという。「昔を思い出すと水仙の密集度は低くなっている」と山下さん。葉が細くやせ、まばらに咲く光景が集落一帯に増えていると感じる。

 今なお畑の入念な手入れで品質を維持し、冬場に摘み取りや仕分けを厳格にこなし出荷している生産農家からも「大変な仕事。自分はまだ頑張っているけど、後継ぎはいないし我々の代で終わりになるかも」(70代男性)といった声が漏れる。JA越前丹生によると管内の生産農家は70代が中心で、加入する農家約80軒のうち10軒ほどが既に出荷をやめている。

 「10年後は水仙どころか、集落そのものもあるのか分からない」と山下さん。同じように危機感を訴える声が周辺集落からも聞こえてくる。

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