福井など4県のLGBT支援団体が活動を報告し連携を確認した北陸地方会議=1月27日、石川県金沢市

 ■偏見とハラスメント

 電通ダイバーシティ・ラボが全国約7万人を対象に行った調査によると、LGBTに該当する人は7・6%。当事者や支援団体の全国組織「LGBT法連合会」共同代表で、富山大人文学部の林夏生准教授は「当事者の多くは声を上げられないでいる」と指摘する。

 施策の整備は、少しずつだが進んでいる。2017年、国家公務員の就業規則を定める人事院が、性的指向や性自認への偏見的な言動はセクハラに当たるとする方針を明示。厚生労働省の中央社会保険医療協議会は、性別適合手術の保険適用を審議している。

 林共同代表は「地方自治体や民間企業にまで取り組みが広がれば、国民の理解はさらに深まる」と期待する。

 ■カミングアウト

 北陸地方団体会議では「セーフティーゾーン(撮影禁止エリア)」と書かれた紙がテーブルの上に置かれ、取材者側に配慮が求められた。

 「北陸ではカミングアウトは難しいんでしょうか?」。会議では、同連合会の担当者が参加者に質問する場面があった。

 「地元の人が多い職場だと公表しにくい」「親せきが近くに住んでいると難しい」。「その土地で生活できなくなる恐れがある」。4県の関係者は、暮らしやすい社会になっていない現状を訴えた。

 人口減少社会の中で、地方では行政主導の婚活が活発化。福井県では全国に先駆けて「企業子宝率」の調査を始め、率が高いと「子育てモデル企業」に認定している。一方で、自分らしさを出せず生きづらさを感じるLGBTのような人々がいる現状に、林共同代表は「子育て支援は大事だが、そういった施策に加われない人がいることを理解してほしい」と話し、カミングアウトできない社会の改善を訴える。

 福井県内の当事者の一人は「婚姻の平等の実現、戸籍の性別の変更要件の緩和など実現してほしいことはあるが、まずは一人一人の生き方の選択が尊重される社会になってほしい」と話している。

 ■LGBT
 L(レズビアン)…同性を好きになる女性
 G(ゲイ)…同性を好きになる男性
 B(バイセクシュアル)…同性と異性に性的魅力を感じる人
 T(トランスジェンダー)…自分の性別や表現する性別のイメージが、出生時の性別に合致しない人

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