小旗をくわえて児童の通学を見守る「チョッパー」と竹澤良全さん=2月27日、福井県大野市明倫町

 福井県大野市街地にある有終西小の通学路。毎朝7時半ごろになると、登校する子どもや地域住民に交じり、犬の「見守り隊員」が姿を現す。真っ黒な体に、ひときわ目立つ黄色の小旗。「僕も一緒に見守りたい」と言わんばかりに、子どもたちに寄り添って歩く。児童からは「登校時間が楽しい」と人気者だ。

 ラブラドールレトリバーの5歳雄「チョッパー」は、県内の警察犬訓練所で半年間ほど過ごし、訓練競技大会でチャンピオンに輝いた経歴を持つ。物をくわえて運ぶのが大好きで、4、5年ほど前、飼い主の竹澤良全さん(70)=同市=に見守り隊用の小旗をねだり、一度くわえると児童たちと一緒に歩くのが日課になった。

 集団登校の集合場所に到着すると、子どもたちが「チョッパー、おはよう」と笑いかける。極太のしっぽを大きく揺らし、耳を後ろ寄りに垂らすチョッパー。「精悍な顔つきも一気にカワウソのような顔になっちゃう」(竹澤さん)。子どもたちの登校に付き添い、帰宅するまでの約30分間、竹澤さんとともに“任務”に就く。

 厳しい寒波に見舞われた2月も、体中、雪まみれになって任務を全うした。吹雪の中、力強く歩く姿に「本人はただただ楽しそうだけれど、前へ前へと突き進む姿には励まされるね」と竹澤さん。4年生の男子児童は「僕らも頑張らなきゃ」と一緒に歩を進めた。

 竹澤さんは自身の孫が昨春小学校を卒業したが、今も児童の安全を見守り続ける。集合場所を出発してからは「真剣に歩いていてなかなか会話はできない」が、児童との触れ合いや犬を介した人との出会いに「充実している」と言う。「僕たちが生きている間、動ける間は子どもたちを見守っていきたい」。これからも“2人”で任務を請け負うつもりだ。

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