不妊手術を施した証に、耳に切り込みを入れた「さくらねこ」。地域に戻し、一代限りの命を全うしてもらう=福井市内(福井犬・猫を救う会提供)

 ペットフード協会(東京)の17年の全国犬猫飼育実態調査によると、飼育数は犬が892万匹、猫は952万匹。1994年の調査開始以来初めて猫が犬を上回った。全国的な“猫ブーム”を裏付けた格好だ。

 処分数で見ても猫は犬より多い。福井県によると、16年度に県内の健康福祉センターに収容されたのは犬157匹、猫465匹だった。環境省の調査では16年度に福井県が収容した野良猫のうち92%、387匹が子猫だった。

 TNRの先駆者である公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県)の佐上邦久理事長は「行政に引き取られる猫は全国でも約8割は生まれて間もない子猫。TNRを『すぐやる』『全部やる』『継続する』ことで、多くの猫の殺処分を減らすことができる」と意義を訴える。

 同基金は昨年12月、全国で初めて行政職員とボランティアが捕獲や手術を連携して行うTNRを三重県で行った。佐上理事長は「行政と協働すれば確実性が上がる。殺処分ゼロ達成への切り札だ」と話しており、ほかの県へも広めたい考えだ。

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