築田多吉。50代とみられる

 ■現代の健康法の源

 やや時代遅れの感があるものや、今では手に入りにくくなった材料を使うものも含まれているが、内容や哲学は現代にも通じる。卵油、青汁、梅肉エキスなどは現在も多くの人が取り入れ、一大産業となっている。医療小説を多く手掛ける福井市出身の作家で、2001年に新書「赤本の世界」を著した山崎光夫さん(70)は「鍼灸やカイロプラクティック、食事療法など現代人にも支持される健康法の源は赤本にある」と語る。00年に小説誌の「日本の健康を創った男たち」という連作企画に築田にまつわる短編を発表した時には、編集部に赤本の問い合わせが多数寄せられたという。健康ブームにわく現代人がまだまだ知らない民間療法が細かく紹介されていることが分かる。

 〈人の行く裏に道あり 病む人の近路をしらで 逝くぞかなしき〉

 赤本の表紙の裏には、健康術を知らないために亡くなってしまった人々を嘆く築田の歌が記されている。

 赤本は現在、子孫らが運営する「築田三樹園社」(広島)と「三樹園社築田多吉商店」(東京)で現代語版を販売している。4月以降は税別6500円で一般書店でも注文できる。

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