「赤本」にある民間療法の一部

 ■「民間医学の泰斗」

 全18章と付録で構成。▽看護法▽健康術▽救急手当▽女性の衛生と子どもの育て方▽健康長寿法-などさまざまなジャンルで、薬草や食事、指圧、灸(きゅう)、鍼(はり)など、ありとあらゆる療法について紹介している。項目だけ挙げても約300点。築田はそれらを実際に試し、効果があると結論付けたものを掲載した。

 意識したのは自ら説く養生法を実践し、83歳まで生きた江戸期の儒学者貝原益軒。益軒と同様に人間の自然治癒力を最大限に引き出そうとした築田は、粗食・小食で咀嚼(そしゃく)を徹底し、夕食後は1里(約4キロ)を1時間かけて歩き、帰宅して全身乾布摩擦、五右衛門風呂に入って午後11時に寝るといった生活のリズムを重要視した。

 不老強壮、精力と寿命の関係、死への覚悟に関する独自の考察もある。福井県立歴史博物館の山形裕之副館長は「産婦人科系の疾患や妊娠、出産、育児に関する内容も充実し、女性の需要が多かった。昔は医者にかかると経済的負担が大きく、病気予防の大切さを知らしめた。築田は民間医学の泰斗」と評価する。

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