高村光一さん(左)らに見守られながら包丁を研ぐ見延和靖選手(中央)=福井県越前市池ノ上町の高村刃物製作所

 2020年東京五輪でメダル獲得を目指すフェンシングの見延和靖選手(30)=福井県立武生商業高出身、ネクサス=が、集中力を高める「ルーティン」に包丁研ぎを取り入れている。地元福井県越前市の越前打刃物職人の手ほどきを受けており、今年の好成績にもつながっている。

 包丁研ぎは大会前に集中力を高める目的で、約1年前から都内の自宅で実践している。2年前に市の「ふるさと大使」に委嘱された際、越前打刃物の包丁を贈られたのがきっかけという。

 16年リオデジャネイロ五輪男子エペで6位入賞。ワールドカップ(W杯)など国際大会を転戦し、いかにピークをつくるかが重要になっている。「無になって研いで、気が付いたら1時間たっていたことも。気持ちを切り替える意味でも効果は大きい」と話す。研ぐ包丁は自宅の神棚に置いてあるという。

 今年1月初めには越前市池ノ上町の高村刃物製作所を訪ね、高村光一さん(53)ら本職から手ほどきを受けた。同26日にドイツで開かれた男子エペW杯個人戦で、15年11月以来2度目の優勝。相手の動きが見えていたといい「すごく集中できていた」と振り返る。

 2月末の帰郷時にも同製作所を訪れ、研ぎのポイントなどを教わった。「師匠にずっと見られて肩に力が入った」と苦笑いだったが、高村さんは「さすが成長が早い」と太鼓判を押した。

 「高村さんの包丁には魂がこもっている。自分も魂を込めて剣を突いており、地元で作られた越前打刃物を研ぐことで、力をもらえている気がする」。2年後の東京での表彰台に狙いを定め、集中力を研ぎ澄ます。

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