今春オープンに向けて急ピッチで整備が進む「ふくい動物管理指導センター(仮称)」=福井市徳尾町

 人と犬は1万5千年以上前からの「最良の友」だったとされ、猫もペットとして人気が高まっている。一方、虐待や殺処分といった負の側面も後を絶たない。福井県内で大量繁殖場「パピーミル(子犬・子猫工場)」状態とみられる施設の存在が明らかになった今、ペットとの共生を考える。

 殺処分のため、麻酔薬と筋弛緩剤が注射された犬や猫。体を支えている間にも力が抜けて、冷たくなっていく―。「何とも言えない感触が手に残っている。こういう思いはしたくない。動物はふびん」と話すのは福井県医薬食品・衛生課主任で獣医師の糸井泰永さん。「動物を助けたくて獣医師になったのに、死なせるのはやる方も精神的につらいですよ」と打ち明ける。

 収容1万3419匹、殺処分8748匹。2007年~16年度の10年間で、県内6カ所の健康福祉センターに収容され、殺処分された犬と猫の数だ。譲渡・返還され、命をつないだのは4647匹にとどまる。「動物に苦痛を強いる」と愛護団体の批判も多い二酸化炭素によるガス処分は、福井県では20年近く前から行われていないといい、すべて注射による殺処分だ。

 「引っ越しするから」「(動物が)病気になったから」「年をとったから」…。「本当に身勝手な理由が多かった」と糸井さんは振り返る。中には「小さいときは丸顔でかわいかったのに、大きくなったら鼻が伸びて、犬みたいになってきたから」と犬の引き取りを求めてきた人もいたという。

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 ただ、16年度に県が収容したのは、犬157匹(捕獲65匹、引き取り92匹)、猫465匹(すべて引き取り)の計622匹。10年前に比べ3分の1に減少した。

 飼い主に返還されなかった収容動物のうち、犬は98・4%、猫は66・1%が譲渡された。この結果、殺処分されたのは07年度1476匹から、16年度は153匹と10分の1まで大幅に減少した。

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