死亡現場(福井県坂井市)

 福井県坂井市の国道364号で2月7日、雪に埋もれた車の中で富山県の男性(19)が一酸化炭素(CO)中毒死したという情報が、同日夜に県担当課に伝わっていたにもかかわらず、翌8日の県災害対策本部の会議で共有されていなかったことが分かった。災害時の情報伝達の在り方に疑問を残し、対策が後手に回ると懸念する声もある。

 県警などによると、7日午後6時40分ごろ、除雪業者が車中で死亡している男性を発見。業者は同43分ごろ119番通報し、同50分ごろ道路管理者である県三国土木事務所に連絡した。同事務所はすぐに県道路保全課に伝えた。

 一方、7日夜に現場で男性の死亡を確認した嶺北消防本部は、翌8日午前8時半ごろ、県危機対策・防災課に雪害として報告した。

 しかし、西川一誠知事ら県幹部が出席する8日午前9時、午後5時の2回の県災害対策本部会議では、人的被害に男性の死亡は含まれていなかった。

 県の複数部署が把握していたにもかかわらず、会議で男性死亡の情報が共有されなかった理由について、県安全環境部の木村正二危機対策監は「会議では市町からの報告を情報として共有している」と説明する。

 坂井市では7日午後7時前に、嶺北消防本部から連絡が入った。ただ死亡の原因は分からなかったため、県に報告しなかったという。同市によると、8日夜に県から「男性の死は雪害によるもの」と電話連絡があったため、県に男性死亡をファクスで報告した。これを受け、9日午前9時の県災害対策本部会議で初めて報告された。

 嶺北消防本部を運営する嶺北消防組合は、坂井市とあわら市が出資しており、土木事務所は県の出先機関。県に報告されたのは、どちらも市町からの情報と同等の確かなものといえるが、結果的に男性発見から38時間以上、県としては共有できなかったことになる。木村対策監は「災害時の連絡体制としては従来通りだった」としている。

 防災&情報研究所(東京)の坂本朗一・防災危機管理研究室長は「雪に限らず災害時の市町は対応に追われ、県への報告は遅れがちになる。情報共有が遅れることで、対策が後手になる可能性がある。県が市町に出向き常駐し、情報を取りにいくことも有効」と指摘する。

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