「命を売り買いすることについて考えてほしい」と話す杉本彩さん=東京都内

 福井県坂井市の動物飼育施設で約400匹の犬や猫が過密状態で飼育、繁殖されていた問題が波紋を広げている。「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」理事長として愛護活動に熱心に取り組む女優杉本彩さんに、現場の動画を見てもらい、問題点や国内ペット事情を聞いた。

 ⇒【関連】「子犬工場」の動画

 ―福井にある「パピーミル(子犬工場)」状態の動物飼育施設の動画を見て。

 見るからにスペースと犬の数が合ってなく過密状態です。(激しく回り続ける行動など)大きなストレスがかかっていて、心身ともにかなり厳しい状態でネグレクト(必要な世話がされていない状態)だと思います。大量に子犬を生産し、流通に乗せるということ自体、人道的なビジネスではありません。こういう業者は許せません。

 ―県の指導で100匹以上が別の業者に譲渡され250匹になった。

 いくら100匹を譲渡しても、250匹を3人で飼育するとなると単純計算で1人83匹です。とても適正飼育できる数でないことは、誰が見ても分かるはずです。給餌、犬舎の清掃、1人で80匹以上の散歩をすることは到底不可能です。接触する時間が短いと体調の変化に気づくこともできません。

 また、冷たくて硬い金網のケージの中に閉じ込めたままの飼育状況も改善されたわけではありません。動物の自由が奪われたままの、福祉を無視している事実はまったく変わっていないと思います。

 ―大量生産が行われる理由や問題点は。

 動物愛護管理法自体が未成熟で、動物を命ある「モノ」として定義づけているのが、問題の根源だといつも感じます。

 とにかく小さくて、一番かわいい時期に、消費者に衝動買いを促すようなやり方で売られます。子犬や子猫が小さくてかわいく見える時期はあっという間です。その間の幼齢の子犬、子猫でショーケースを埋めるために、どれだけの犬猫が流通に乗らなくてはならないか想像してください。そのために大量生産されるのです。

 そして大量生産・大量流通・大量消費を促すビジネスには、余剰在庫、不良在庫はつきもの。命ある動物であってもモノと同じように廃棄処分という運命をたどるんです。

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