狭いケージに1、2匹の犬が押し込められ、ほえたり、ぐるぐる回ったりしていた=2017年12月、福井県坂井市内(県内動物愛護グループ提供)

 福井県坂井市の動物飼育施設で約400匹の犬や猫が過密状態で飼育、繁殖されていた問題で、公益社団法人日本動物福祉協会(JAWS、本部東京)は1日、改善に向け指導監督するよう県に申し入れた。県は昨年11月末から計8回指導し、飼育数が250匹まで減少、段階的に改善していると回答する一方で、指導に入った当初は「違法状態」にあったことを示唆。同協会は「さらに飼育数を減らすか、飼育員の数を増やす必要がある」とし、さらなる改善が必要との認識を示した。

 同協会などによると、施設を運営する業者は少なくとも昨年12月、犬と猫合計385匹を飼育。狭いケージに入れたり、コンクリートブロックのマス内に過密状態で入れるなど「パピーミル(子犬工場)」のような状態だった。

 同協会の職員や弁護士らが県庁の担当課を訪問。▽適正な飼育数までの削減もしくは適正飼育できる雇用人員の確保▽狂犬病予防法の順守-などを業者に指導監督するよう申し入れた。

 県は昨年11月末からの2カ月で計8回、動物愛護管理法に基づく立ち入り指導を行ったと説明。「成犬100匹を県外の業者に譲渡した」と業者から聞いたとし「改善に向かって動きだしており、不備がないか指導を続けていく」と述べた。

 「学術的に考えて飼育員1人で理想は20匹」とする協会側は、依然として250匹が飼育されている現状に問題があると指摘。県は「一時は飼育員1人で400匹だったが3人400匹、現在は3人で250匹と段階的に改善している」と答えた。

 狂犬病予防法に基づく登録義務については「注射は県外で受けていた。ただ指導当初は経営者が登録義務を認識しておらず違法状態だった。(指導後は)毎月20匹ずつ登録することになっており、現在40匹が登録された」と説明した。

 県によると、業者は犬猫を「手放さない」との考えを示している。一方で「200匹くらいまで減らし、今後繁殖は行わない」と話しているという。従業員の長時間勤務が指摘されている点に県は「遅くても午後9時ごろまでになっている」とした。

 昨年12月に施設を視察した県内動物愛護グループの1人は「まだ250匹もおり、犬にとって立っているのも苦痛な金網の上などで飼育されている。県外の業者に渡った100匹の行く末も心配」と危惧している。

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