ブロックで囲まれた「マス」にすし詰め状態になっている犬たち=2017年12月、福井県坂井市内(県内動物愛護グループ提供)

 犬や猫約400匹を過密状態で飼育、繁殖するなど動物虐待が疑われる施設が福井県坂井市内にあることが2月28日、公益社団法人日本動物福祉協会(JAWS、本部東京都)などへの取材で分かった。同協会は3月1日にも、動物愛護管理法違反(虐待)などの疑いで、運営する動物販売業者を福井県警に刑事告発する方針。商品を大量生産するように子犬を産ませる「パピーミル(子犬工場)」と称される施設は全国的に問題視されており、この業者の繁殖場も同様の方式とみられる。

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 業者は、子犬や子猫を県内のペットショップなどで販売しているとみられる。

 犬猫を大量繁殖させ販売することは、責任感の十分でない飼い主を生みだしかねず、同協会などは飼育放棄や殺処分を防ぐため、適切に取り締まれる法改正を国に訴えている。

 同協会などによると、この業者は少なくとも2017年12月、坂井市の動物飼育施設で犬と猫合計385匹を飼育。狭いケージに入れたり、コンクリートブロックのマス内に50匹以上の過密状態で入れたりし、施設内には悪臭が漂っているという。1日1回しか餌をやらず、病気やけがの動物に適切な処置を行わないなど虐待の疑いが持たれている。

 このほか、犬を厚生労働省の省令に定める登録申請していない疑いや、狂犬病予防注射を受けさせていない狂犬病予防法違反の疑いもあると指摘している。

 同協会は県内の動物愛護グループなどから連絡を受けて状況を精査し、犬猫約400匹が劣悪な環境で飼育されていると判断した。刑事告発に合わせ、福井県や福井労働局などに対して指導監督申入書を提出する。飼育員の労働時間が労働基準法に抵触する可能性があるとして、福井労働局に調査と指導監督を求める。

 2017年12月時点で飼育員の人数は2人。「飼育員1人で20匹が限界」との見解を示す同協会は、2人で約400匹の適切な飼育は不可能で、動物愛護管理法違反に当たると指摘している。県には、多頭飼育崩壊した場合の対応策を検討しているか業者に確認するよう要請する。

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