ブローホールから出る風は強力だ。穴に近づくと記者の髪の毛は瞬時に吹き上げられ、波の持つエネルギーを実感

 福井県越前町にある世界初のブローホール発電施設が実用化の道を着々と歩んでいる。改良工事現場の取材で、ブローホールをのぞき込んでみると強烈な風が底から押し寄せてきた。上下する波が起こしたもので、髪の毛が一気に吹き上げられ、目を開けていられないほどの勢いだった。

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 この突風がタービンを回して電気に変換されるのかと、純粋に驚いた。施設で発電された電気は間もなく、電気自動車を動かしたり街灯をともしたりするエネルギーとして活用される。海岸線では冬場を中心にやっかいな存在だった高波や強風が一転、まちを支えるエネルギー源に変わり徐々に実現していくかと思うと感慨深い。

 今回の改良事業では3本のブローホールのうち2本に発電機を設置し、1本は内部観察用の窓を取り付け、風を感じたり中をのぞいたりできるようにするという。自然界の波の中に秘められた力を多くの人に体験してもらいたい。


 ■ブローホール波力発電 岩盤を掘削したトンネル状の人工ブローホール(潮吹き穴)に出入りする波の上下動で生じる空気圧を利用し、タービンを回転させ発電する世界初のシステム。越前海岸の波の高さや岩盤に注目した東京大先端科学技術研究センターが越前町小樟に実証研究施設として整備し、現在は町が保有。ブローホール波力発電機構が管理、運用している。発電機は無人運転で、波の高さを計測しながら発電効率を検証している。

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