孤立していた集落で除雪作業をする住民。高齢者の生活が脅かされた=2月9日、福井市千合町

 災害発生時に高齢者や障害者をどう守るか。各市町はその対応を、災害対策基本法に基づく「避難支援プラン」にまとめている。

 ただ、プランが想定するのは文字通り、地震や水害時の「避難」が中心。避難の必要性は生じずとも、豪雪で自宅に閉じ込められたまま危機に瀕した要支援者の生活に、直接的な支えは働かなかった。

 福井市危機管理室は、要支援者の安否確認について「幅広く網羅できていた」と説明する。除雪の遅れで4日間孤立状態に陥った同市山間部の千合町の集落に対しても、各世帯への電話連絡で健康状態や食糧の有無を確認した。プランに基づき登録された要支援者の名簿も安否確認には活用された。だが、その先に必要な生活支援や安心は、民生委員や自治会の自主的な互助の動きに頼るところが大きかった。

 「近所に若い人は少ない。もう自然の流れに任すしかない」。妻の介護を受けて暮らす小林秀雄さん(85)=同市=は7日、家の周りを埋め尽くしていく雪を眺めることしかできずにいた。助けに来たのは、近くの1人暮らしの78歳男性。「今のところは体も動くし、できる範囲で助け合わないと」。善意の雪かきを終えると、そのことは告げずに去っていった。

 同市地域包括ケア推進課の高島弘和課長は業務状況を振り返り、「大雪の直後は道路も使えず人も動けない。そのときに高齢者を支えるのは、やはり地域の助け合い。それ以外に見当がつかない」と実感を込めた。民生委員や自治会長の高齢化、なり手不足も進む中、福井大医学部の米澤洋美准教授(公衆衛生看護)は「支える側を支えるための仕組みにも目を向けなければならない」と指摘する。

関連記事