チアダンスの全米大会で優勝して笑顔を見せるJETSのメンバー=23日、米ネバダ州ラスベガス

 一度は全米大会挑戦の道を閉ざされた福井市の福井商業高チアリーダー部「JETS」が、あきらめずに挑んだ新たな大舞台でも全米ナンバーワンの座をつかんだ。福井県内を襲った大雪の影響で、大会直前に十分練習ができない中でも実力を発揮したJETSメンバー。優勝を信じて見守った関係者からは「大雪で疲れた福井県民を元気にしてくれる」「よくやった、お疲れさま」などと祝福やねぎらいのメッセージが寄せられた。

 同校には24日午前11時ごろ、引率の教員から電話で吉報が届けられた。大原陵路校長は「今回はいろいろな経緯で5連覇中だった大会に出場できないというピンチだったが、選手たちはプレッシャーに負けずに優勝を成し遂げ、新しい歴史を刻む重要な一歩を踏み出した」とたたえた。

 JETSは昨年11月、東京で開かれた「第17回全日本チアダンス選手権大会」決勝大会のチアダンス部門高校生編成を連覇。例年は同大会を主催する「日本チアダンス協会」の推薦で各部門の上位チームが米オーランドでの全米選手権に出場してきたが、今回から全米選手権の推薦チームを決める権限が同協会から別団体に移行。さらにJETSが出場していたチームパフォーマンス部門は米側の意向で日本からの推薦枠がなくなり、同一大会6連覇の道は閉ざされてしまった。

 全米制覇を目標にしてきた選手たちの頑張りを無駄にしたくないと、JETSの五十嵐裕子顧問(49)は同協会の協力を得ながら、昨年末から別の全米大会出場を模索。今大会はJETSの実績が認められ、ようやくエントリーできた新たな挑戦の舞台だった。

 渡米直前の1週間は大雪に見舞われ、全体練習ができない日々が続いた。敦賀市から電車通学していた主力メンバー浜田百香さん(3年)は、市内の貸しスタジオで越前市内のチームメートと自主練習を続けた。毎朝6時の電車に間に合うよう送迎を続けてきた父親の肇一さん(47)は「準備万端とは言えないコンディションで初めての大会に挑むのは不安だっただろうが、よく頑張ってくれた。大雪で疲弊した福井に明るい話題を運んでくれた」と喜んだ。

 OGたちも後輩の奮闘に沸いた。JETSの初代部員で現在はコーチとして振り付けを担当し、現地で演技を見守った三田村真帆さん(27)=日本チアダンス協会所属=は「不安も多かっただろうが、本番は素晴らしい演技を見せてくれた。夢はかなうということをいつも選手たちから教えてもらっている」と感慨深げ。2012年卒の山田茉耶さん(24)=越前市=は「どんな大会でもJETSが大切にしている感謝の気持ち、熱意は伝わることが証明できた。後輩たちが誇らしい」と賛辞を贈った。

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