えちぜん鉄道三国芦原線の線路に積もった約70センチの雪をかき分けるえち鉄社員=6日午前9時40分ごろ、福井市川合鷲塚町の鷲塚針原駅

 その点、えちぜん鉄道と福井鉄道は部分運行に柔軟な対応を取った。しかし相互乗り入れ便を含む全線の運行再開には長時間を要した。マンパワー不足が最大の理由だ。

 両社で計約200カ所ある踏切の除雪が難航し、線路を切り替える計約110カ所の「分岐器(ポイント)」も雪に埋もれた。計約100人の社員が不眠不休の状態で現場作業に当たった。えち鉄の豊北景一社長は「県や沿線市町から人員の応援をもらって努力したが、いくら除雪しても降雪が続いてやり直しになった」と疲れた表情で語る。

 除雪車両の老朽化も影響した。製造から100年近い福鉄のラッセル車は「パワー不足で前に進まなかった」と村田治夫社長。福井市の通称フェニックス通りで中央部分の路面軌道だけ大きな雪の山だったのはこのためだ。結局、県福井土木事務所の協力で重機のグレーダーを投入した。

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 福鉄と同じく富山市内で路面電車を運行する富山地方鉄道の雪対策はどうか。同社の担当者は「路面軌道用の除雪車両はない」という。散水消雪装置のない区間では道路管理者の富山県、富山市と三者でグレーダーによる作業を業者に委託し「午前5時ごろまでに路面軌道と道路の雪を効率的に丸ごと取り除く」と説明する。早朝の大雪の場合、ラッシュを避けて午前10時ごろから午後2時ごろまでに対応。雪に弱い次世代型低床車両(LRV)は使わず、本数を間引いて運行を確保している。担当者は「完全運休は記憶にない」とする。

 富山ライトレールの路面軌道には、散水消雪装置が全て整っており、大雪でも半日程度の運休しかないという。

 石川県の金沢市と内灘町を結ぶ北陸鉄道浅野川線も、今回の大雪で完全運休はなかった。通常の車両にラッセル用の板を付けており、緊急時は除雪車両に転用している。

 今回の大雪を教訓に、えち鉄と福鉄は県、沿線市町と除雪体制を強化し、資機材の共同購入や相互利用を図っていくことにした。もう一つ備えなければならないのが、23年春の北陸新幹線敦賀開業後にJR西から県内の第三セクターに引き継がれる並行在来線(現北陸線)の雪対策だ。

 福井大大学院の川上洋司教授(地域都市計画、交通計画)は「雪に強い鉄道ネットワークを築くため、えち鉄と福鉄の雪対策強化や公の関与を土台にした備えを発展させ、第三セクターの経営計画に盛り込む必要がある」と指摘する。その上で「鉄道の部分運行とバスなどを組み合わせた代替路線を公共交通網全体で考えておくべきだ」と語る。

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