JR北陸線の線路に積もった雪を取り除く除雪車両。運休が相次ぎ、県民生活が混乱した=6日午前7時35分ごろ、福井県南越前町今庄

 鉄路への期待は失望に変わっていた。福井県のJR越美北線の全区間のうち、福井―越前大野間で15日ぶりに運行が再開した20日早朝、越前大野駅で地元の男性会社員(48)がこう苦言を呈した。「何度も再開を延長され、通勤通学の足を奪われた。もう少し早くしてほしかった」。九頭竜湖までの全線運行にはさらに3日かかり、沿線住民からは「あまりにも遅すぎる」とため息が漏れた。

 JR西日本金沢支社は「乗客の多い北陸線を優先した」と説明する。だが北陸線も頼りにならなかった。普通列車は6日から2日間、特急は3日間完全運休した。16日にようやく通常運行に戻った。

 福井県の資料によると、五六豪雪当時(1980年12月28日~81年2月10日)、国鉄の北陸線普通列車が完全運休した日はゼロだった。なぜ当時と違うのか。金沢支社は「安全を最優先にした」とする。

 背景には2011年の大雪で北陸線の特急2本が南越前町の今庄駅で立ち往生し、乗客に車中泊を強いた苦い経験がある。県幹部は「安全確保は当然」とした上で「福井―武生間、福井―芦原温泉間など除雪を終えた区間から普通列車を走らせることはできなかったのか」と指摘する。

 実際、石川、富山両県をまたぐIRいしかわ鉄道は6日に石川県内で臨時列車を動かした。短距離区間の運行について金沢支社は「できないことはないとは思う」と改善の余地があることを認めた。

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