福井県が共同運航を始める滋賀県のドクターヘリ(滋賀県提供)

 医療機器を備え、医師や看護師が同乗して現場に急行する「ドクターヘリ」について、福井県は2018年度内に、既に導入している滋賀、岐阜両県との共同運航を始める。半年間で50回程度の出動を見込み、負担分などとして1880万円を盛り込んだ。西川一誠知事は16日の記者会見で「できるだけ早期に運航を始めたい」と述べた。

 共同運航で災害時を含めた救急医療体制の充実につなげるとともに、将来的な単独運航を見据えた検討会を立ち上げる。

 ドクターヘリは消防本部や医療機関の要請で出動する。救急の専門医が現場ですぐに治療を始められるのに加え、渋滞などの影響を受けずに搬送できるため、救命率の向上や後遺症の軽減につながるとされる。47都道府県のうち、今秋導入予定の石川県を含め、既に44道府県が単独または共同で運航している。

 福井県は、現状で人口10万人当たりの救急専門医の数や救急搬送時間の短さが全国トップクラスのため、これまで導入に慎重な姿勢だった。一方、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震といった大規模災害でドクターヘリが活躍。嶺南や奥越は救急車による搬送に比較的時間がかかることもあり、県内の医療関係者から導入を求める声が高まっていた。

 単独運航の場合、格納庫や給油施設の整備などの初期費用に4億円程度かかり、さらに運航委託費や医師・看護師らの人件費などに年間約2千万円必要になる。共同運航は福井県内への出動実績に応じた費用負担になり、滋賀、岐阜両県の呼び掛けもあって、検討を進めていた。

 福井県地域医療課によると、共同運航するドクターヘリの県内の活動地域は、岐阜、滋賀両県のドクターヘリがそれぞれ拠点としている岐阜大医学部附属病院(岐阜市)と済生会滋賀県病院(同県栗東市)から70キロ前後の圏内を想定している。岐阜県側は奥越と丹南の一部、滋賀県側は嶺南全域が当てはまる。

 今後、3県と福井県内の該当地域の各消防本部、医療機関などの運航調整委員会を設け、具体的な活動地域や出動基準、地元の救急車との集合地点を決める。滋賀、岐阜両県との協定締結など準備や手続きが終わり次第、共同運航を始める。

 ただ、共同運航では滋賀、岐阜両県で出動している場合や、福井県内の医療機関間の搬送には使えないなどの課題がある。このため、福井県内の医療機関や各消防本部などが参加する検討会で、単独運航の効果や課題を議論する。

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