先日、車の運転中に突然、道路が二重に見えだしました。2カ月前に右額を強打したのでその影響かと思い、近くの総合病院でCT検査を受けました。軽微な硬膜下血腫の疑いがあると言われましたが、ペースメーカーを入れているため、それ以上詳しい検査はできませんでした。なお、右目は以前より加齢黄斑変性と診断されています。今は右目をつむって片目で過ごしています。慢性的に物が二重に見える状態の解消策、治療法などがありましたら教えてください。(福井県あわら市、86歳男性)

 【お答えします】杉原友佳・福井大医学部眼科医員

 ■目以外の病気可能性も

 物が二重にぶれて見えることを複視と言います。複視の原因は、目自体の異常によるものと、目以外の病気からくるものの大きく二つに分かれますが、それは、両目で見たときだけ複視がでるのか、それとも片目を隠しても複視が残るのかでおおよその予測ができます。

 片目を隠しても複視が残るようなら、乱視や白内障のほか、加齢黄斑変性のように目の奥の病気によるものかもしれません。乱視は眼鏡で矯正できますが、眼鏡をかけても解消されない場合は、白内障や加齢黄斑変性の治療が必要となることもあります。

 片目を隠すと複視がなく、両目で見たときだけ複視がでる場合は、目以外の病気からくる複視の可能性があります。

 原因はさまざまですが、特に今回のように急に複視がでたときは、脳梗塞や脳出血が元になっていることもあります。また、過去の頭部外傷から、眼の動きに関わる神経が障害されていることもあります。他にも、高血圧や糖尿病、ホルモンの異常などから眼の筋肉の循環が障害されたり、動きが悪くなったりして複視がでることもあるので、身体の状態から疑わしい場合は血圧測定や血液検査など内科的な検査や診察を受けることをお勧めします。

 併せて頭の磁気共鳴画像装置(MRI)検査で、脳梗塞や脳腫瘍などがないか詳しく検査をすることが望ましいのですが、ペースメーカーを挿入されている方は、MRI検査ができないこともありますので医師と相談が必要です。

 ■眼鏡やフィルム、手術で対応

 目以外の病気からくる複視の治療法ですが、日によって見え方が変わる複視や自然に治る可能性がある複視は、目に入る光を曲げる作用のある特殊な眼鏡やフィルムを使って複視の解消を試みます。それでも効果がない場合は、片目つぶりと同じ原理ですが、眼帯や不透明な膜で片目を完全に遮蔽(しゃへい)することで見え方が良くなるか試します。これらの治療の効果がないものや、緊急で手術が必要なもの、半年〜1年ほど経過をみても改善が見られないものは、手術などによる治療を検討します。

 まずは今回の複視の原因と治療方針について、早めに眼科を受診し相談するとよいでしょう。
 

関連記事