安全地帯『安全地帯 XIV〜The Saltmoderate Show〜』

 デビュー35周年に紙ジャケット&高音質仕様で再発売されたオリジナルアルバム14作中の最新作。2013年当時、ジャケットに圧倒されて聴かずじまいだったが、それは間違いだったと後悔した。

 確かに、昭和の歌謡ショー風に玉置浩二扮する根尻七五三(ねじりしめぞう)が喋りまくる楽曲は、超ハイテンションだ。しかし本編の全11曲は、良質なポップスばかりで、コミカルどころか真摯に生きる人間像が思い浮かぶ。

 その根幹となるのが大半の楽曲に登場する「愛」だ。『愛を鳴らせ』は『悲しみにさよなら』の二人がより深い愛で繋がったような作風だし、『盾』では、「挑む姿」は「愛」以上に価値があると孤独な人々を勇気づける。そして終盤のバラード『海路』にて、「成れの果て/悪を知り愛を知る」と、愛の尊さを温かく歌い上げる。都会の夜から穏やかな陽射しが似合うバンドになったことも感慨深い。

 収録曲の約半数の作曲に、玉置以外の4人がかかわったことも、作品の厚みが増した要因だろう。本作を聴けば、自分の言動に「愛」があるかどうか気になるはず。

(ソニー・2593円+税)=臼井孝

関連記事
あわせて読みたい