ポケットマルシェのイメージ

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 アプリは、ベンチャー企業のポケットマルシェ(岩手県花巻市)が2016年9月にサービスを開始した。同社は農家や漁師の現場を丹念に取材した情報誌に、その収穫物を“付録”として一緒に届ける「食べる通信」を全国に展開するNPO法人東北開墾(同)が母体。両法人を率いる高橋博之さん(43)は「規格にこだわる既存の大型流通システムでは、野菜が少し曲がっているだけで出荷できない。生産者と消費者を直接結ぶことで、食べものの価値を正確に伝えたい」と話す。

 アプリでは、SNSのように生産者と消費者が手軽に交流できるのも特徴。消費者が届いた野菜や魚で作った料理の写真をアップし、生産者が感謝のコメントを返すようなやりとりが生まれている。17年春から手塩にかけたコシヒカリを出品している福井県池田町の米農家長尾伸二さん(52)は「消費者側の農家を応援する気持ちが伝わってくるのが、多数ある通販サイトとポケマルの違い。消費者とつながる“わくわく感”を楽しむ生産者が県内外にもっと増えて欲しい」と話す。

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 ポケマル側は販売価格の15%を手数料として受け取る。卸業や小売業を経由する既存の流通システムに比べると、販売価格85%の収入は生産者にとって大きい。小ロットでも出荷できるので、新しい商品ラインアップを気軽に試すこともできるという。

 アプリを利用する生産者は当初の約100人から、昨年末は北海道から沖縄まで約500人に増加。ポケマルの本間勇輝取締役COOは「ウェブやアプリの開発を進め、生産者、消費者双方の利便性を向上させたい。ポケマルならではのユーザー体験を作り出していきたい」と展望を描いている。

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