ヘルパーの橋本さん(左)から介助を受ける上田さん=15日、福井市内

 ヘルパーはその後も交代で上田さんを介助した。その一人、橋本智代美さん(50)=同市=は「私たちが行かなかったらトイレも行けない。そう考えたら行かなきゃって必死でした」。徒歩や家族に車で送迎してもらうなどし、数時間掛けて利用者のもとへ向かった人もいるという。

 足腰が不自由で遠くまで歩くことができず、訪問介護を受けている中川新三郎さん(91)=同市=は「食料を持ってきてくれて助かった。もし雪で来なかったら、どうしたらいいか分からなかった」と話す。恐怖を感じた降雪が一段落し「やっとぐっすり眠れる」。

 大雪の影響で交通網がまひし、幾日か臨時休業を強いられた高齢者福祉施設もあったが、現在は業務を再開。施設内にはにぎやかな笑い声が戻った。同市の藤島園デイサービスセンターは、送迎車が利用者宅まで行けず3日間臨時休業した。10日ぶりに利用したという森君子さん(95)=同市=は「1人暮らしなのでここに来ると安心します。仲間とのゲームが楽しいね」と話し、久しぶりのセンター生活を楽しんでいる様子。一緒におしゃべりしていた男性は「わが家みたいな場所。若返るようだ」と豪快に笑った。

 居宅介護を受けている障害者の1人は「車社会の福井では、ガソリンが手に入らないだけで生活できなくなる人もいる。障害の有無に関係なく、みんな交通弱者になった」とし、行政に対し大雪に対する交通施策を求めた。

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