民家の庭先に現れ、窓越しに家人と見つめ合うニホンカモシカ=福井県越前市

 窓際に思わぬ珍客ひょっこり―。国特別天然記念物のニホンカモシカが大雪に見舞われた福井県越前市の住宅敷地に現れ、ガラス窓越しに家人と見つめ合った。大きく優しい瞳が印象的だったという。

 上野和美さん(58)宅。12日午後5時ごろ、家族が居間でくつろいでいると、大きな動物が窓際に近づいてきた。驚いたが、雪をかぶった頭に20センチほどの角があり、すぐにニホンカモシカと気付いた。

 体長1・5メートルくらいで、犬のように座ったまま、じっと家の中をのぞき込んだ後、1、2分して歩き去った。

 山林や田んぼが広がる近隣では、ニホンカモシカの目撃例が相次ぎ「山に餌がないのかな」と、住民の会話に上っていた。妻かおりさん(55)は「震えながら大きな目で何か訴えるように部屋の中を見ていた。思わずおなかすいたんか、と話し掛けた」という。

 県自然保護センターによると、冬季の集落や道沿いでの目撃情報はまれだが、今回の大雪以降2、3件届いている。センター職員は「餌を探して雪の少ない場所を歩いてきたのだろう。人里への依存につながるので食べ物は与えず、そっと見守って」と話していた。越前市では、13日朝にかけ24時間の降雪量49センチを観測した。
 

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