若者の未婚化、非婚化と言われて久しく経ちます。国勢調査を見ると、1990年の25~29歳の男性の未婚率は64%、女性は40%だったのに対し、2015年に25~29歳の男性は73%、女性は61%と大幅に上昇したことがわかりました。

「女性はクリスマスケーキ。25歳を超えたら売れ残り」という、今だと大きな問題になりそうな言葉が当たり前のように使われていた1990年には、25~29歳の女性の間では既婚者が多かったのに対し、今は結婚していない人が多数派になっています。

さて、こうした若者の未婚化、非婚化の根太いトレンドが存在する中、一部の若年女子たちの間で新しい結婚に関する現象が芽生えつつあるかもしれません。

今回はこうした現象について、若者研の現場研究員がレポートします。

知られざる「早婚」女子たちの実態

若者の間で「求婚男子」が急増中。その風潮が一部の女性にも現れ始めている。20代半ばなど、学生・社会人数年目で結婚する「早婚」が一部の女性に広まりつつあるのだ。

いったい何が起きているのか?若い女性たちの間で広がる「早婚」の実態を取材した。

今回レポートしてくれる若者研究所の現場研究員たち。写真左より、五十嵐健祐(明治大学2年)、中村麻人(法政大学3年)、佐藤美梨 (慶應義塾大学1年)

【早婚女子・対象者1】

東京都生まれの女性Aさん、26歳。都内の大学を卒業後、地方都市でマスコミ関係の仕事をしている。

彼女には県内の違う地域に住む、遠距離婚中の夫がいる。会社の同僚である夫とは、26歳で結婚した。「今はお互い仕事があり2週間に1回会う週末婚みたいな形。でも最初からそれは覚悟していたから問題はないです。もちろん一緒に住めるに越したことはないですが」。

Aさんはもともと、早婚にこだわっていたわけではない。なんとなく27、8歳で結婚し、30歳までに出産したいという漠然としたイメージがあっただけだそうだ。そんな彼女が早婚に至ったきっかけは、自身とパートナーの方の転勤事情だそうだ。

交際時から遠距離恋愛だったというAさん。2人の会社では転勤が頻繁にあり、次の異動でどこに行くのかわからない。そのため、早く結婚することで会社の人事に対する意思表示になると考えたそうだ。

「できるだけ早く遠距離を終わらせたかったんです。相手と勤務先が離れているからこそ、これ以上は待てないと思い決意しました。現代では共働きが増え、別の場所で働くことも当たり前になりつつあります。その結果、『別居婚』に対する抵抗が減ってきているように感じます。結婚=同居、という価値観が薄れてきた印象です」

 

Aさんは早婚のメリットは何よりも“安心感”にあると言う。お互いに働いているからこそ、心のよりどころがあると気持ちが楽になると語る。Aさんが幼い頃から教育熱心だったという両親も、早婚には大賛成。周りの友達からも「私も早く結婚したい」といった声が多かったそうだ。

早めに結婚して安心と安定を得たい。もちろん働くことにも意欲的であり、早婚を踏まえたうえでのキャリア設計をしているのだ。

「会社にも理解があり、結婚の報告をしても嫌な対応はされませんでした。むしろ会社を辞めないように言われましたね」というAさん。

ほんの一昔前まで、男性が働き、女性はそれに合わせて生活することが普通のことだったかもしれない。しかし共働きが当たり前となってきた今、心の安心を求めてむしろ早婚に走るケースもあるのだ。

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