【越山若水】37年ぶりの大雪の影響で、県民の暮らしは混乱に混乱を極めた。その一つが私立高の一般入試だろう。最初は6日だった最終日が延期に延期を重ね、きょう9日遅れで実施の運びとなる▼中学生には難しいかもしれないが「論語」が由来の成語に「歳寒(さいかん)の松柏(しょうはく)」というのがある。厳寒の冬でも緑の葉を維持するマツやカシワをたたえた言葉だ▼多くの植物の葉が枯れてしまう中で、常緑樹は「永遠の命」を象徴する特別な存在。どんな逆境にあっても信念や意見を貫き通し、困難に屈服しないことの例えである▼では、どうしてマツやカシワは寒さに負けないのか。冬の低温にも凍結にも耐えられるよう、凍らないための物質「糖分」を葉っぱの中で増量して、凝固点を下げているという▼常緑樹は何もしていないように見え、実は寒さ対策に工夫を凝らすすごい努力家だった。雪中野菜が甘くなるのも同じ原理らしい(「植物はすごい」田中修著、中公新書)▼入試の再々延期に長期間の待ちぼうけ。集中力を維持するのも大変で、生活のリズムも狂いがち。受験生は寒波と豪雪に翻弄(ほんろう)された思いが強いだろう▼「歳寒の松柏」の故事成語のごとく、大雪の試練と逆境も何のその、平常心で試験に臨んでほしい。17日には朗報が届くようにと願う。くしくも新潟地方気象台はきのう、北陸地方に春一番が吹いたと発表した。
 

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