降り続く雪の中、除雪作業を行う福井県鯖江市内=13日午前11時半ごろ

 13日にかけて福井県丹南地域を襲った大雪は、地域に集積する伝統工芸の各産地を直撃した。約60事業所が加盟する県和紙工業協同組合によると、同日はほとんどの事業所が操業をストップ。大雪の影響で越前市内の多くの越前和紙の製紙所が6日以降、商品を出荷できていない状態が続いており、一部では洋紙や他産地への切り替えの動きもみられるという。

 越前市岩本町の五十嵐製紙では7、8日に続き13日の操業を停止。五十嵐康三社長(70)は「まず社員が出勤できない。今は除雪に追われている状況で、14日も休みにするしかないだろう」と頭を抱える。これだけの期間、操業できないのは2004年の福井豪雨以来だという。

 越前焼工業協同組合の吉田豊一理事長(53)も同様に「出荷の手段がない状態」と嘆く。生産面でも「例年よりも気温が低い。寒さが厳しいと、焼き物は焼き上げた後にもろくなってしまう。注意が必要」と警戒している。

 越前町の越前陶芸村周辺の細かい路地には、13日午前の段階で除雪が入っていない状況といい、吉田理事長は「直売所の営業もできていない。ただでさえ冬で客足が鈍い上に、さらに追い打ちがかかった」と肩を落とす。

 越前漆器の産地、鯖江市河和田地区も除雪が進まず、漆器製造販売の漆器はたけなかでは「毎年2月20日ごろに料理店は桃の節句用にメニューを切り替え、器も替えるが、その器をつくる材料がそろわず、できた器も出荷できていない」と現状を明かす。漆琳堂では、5日を最後に運送業者が来られない状態で、従業員の多くを休ませているという。内田徹専務(41)は「2、3月の売り上げは厳しくなるだろう」と話す。

 丸物塗師の畠中昭一さん(77)は、「雪かきが終わった後も手が震えて1時間ほどは仕事にならない。雪で仕事の時間を削られている」と悲嘆。「大雪はきょうで最後にしてもらいたい」と祈るように話した。

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