昨年の全国学力テストに臨む児童と、10年連続全国上位だった結果を報じた福井新聞紙面のコラージュ

 長期的な視点で指導に当たる現場の教師の思いとは裏腹に、全国学力テストや県独自の学力調査(SASA)が近づくと、管理職からはテストに対応したプリント学習や、生徒の理解度が低い分野の強化を迫られる。「結局、管理職はテストの結果を求めてくるから、対策もやらざるを得ない」。生徒にじっくり向き合おうとする中で、学力テスト対策は邪魔にさえ感じる。

 一方、宿題に苦情を言う親も子どもが中3になると、学力テストの点数を見て「うちの子、高校行けますか」と尋ねてくる。

 管理職から学力テストの結果を求められ、点数にこだわる保護者の意見に耳を傾ける。「何かが違うのでは」。テスト結果に大きく注目する「学力」判断に疑問を感じている。

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 福井市内の中学校で、月初めに毎日の宿題を一覧できる月間計画表が生徒に配られるのを見て、県外から派遣された40代の女性教師は驚いた。「福井県の教育は非常に丁寧。計画的に宿題を出し、3年生には補習がある。面倒見がいい」という。

 ただ、この面倒見の良さがあだにならないか、とも思う。これほど面倒を見てもらえるのはいつまでだろう? 「高校や大学に進んだときに、自ら学びに向かう力はつくのだろうか…」

 これから求められる学力とは何か。福井大学大学院の松木健一教授は、知識や技能の習得過程で、探究心やコミュニケーション能力などを培うことだとする。それらは先生が導けても「教えられるものではないし、テストで測るのも難しい力」だという。

 究極的には、学力とは自ら課題を見つけ、集団で学び合って解決する力であるとし、教育県福井に「本当のトップになってほしい」と望んだ。

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