【越山若水】古代ギリシャの詩人ピンダロスはオリンピック祝勝歌を数多く作ったことで知られる。紀元前776年開催の最初のオリュンピア祭をたたえる名詩歌も残している▼「オリュンピアほど偉大な競技会はない」と詩人は称賛する。最も大切な基本元素の水や高価な黄金、さらに全ての星より明るく輝く太陽にも匹敵するという▼そして「オリュンピアの栄光はあらゆる競技を影に追いやる」と続ける。祝勝歌を詠んだ本人でさえ、参加する選手のひた向きさや生命の躍動感に輝きを見ていた▼競技会の勝利は個人に名声を、故郷に栄誉をもたらしたが、オリーブの冠以外に賞品はほとんどなかったらしい。この歴史からオリンピックは公平・公正なスポーツの祭典として今も評価されている▼お隣韓国できのう平昌冬季五輪が開幕した。五輪の理想と現実にギャップがあることは重々承知しているが、今回は「南北融和」の名の下、政治色が前面に出てウンザリだ▼北朝鮮の参加や合同チームはまだしも、国家芸術団や美女応援団を派遣して和平ムードを演出。一方で直前に軍事パレードを強行して世界を威嚇(いかく)する▼北の政治ショーに加え、56豪雪以来の白魔襲来もあって気分的に盛り上がりを欠く。それでも五輪の真の主役は若き選手たち。日本からも雪と氷の精鋭が大舞台にチャレンジする。その輝きをしかと見届けたい。
 

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