20リットルの給油制限の中、ガソリンを入れる車=7日、福井市春山1丁目の「栄月大名町SS」

 記録的な大雪の影響により福井県嶺北の多くの給油所で深刻な燃料不足が起きている問題で、福井県坂井市三国町の油槽所と各幹線道路をつなぐ県道が、県の道路雪対策基本計画で最重点除雪路線に指定されていなかったことが9日分かった。除雪車の燃料となる軽油や暖房用灯油は県民生活に直結する。燃料油の補給路を最優先にしない県の除雪計画のずさんさが浮き彫りとなった。

 坂井市三国町山岸と同市春江町西長田を結ぶ県道三国春江線は、テクノポート福井と北陸自動車道丸岡インターチェンジを結ぶ物流の動脈だ。県内の給油所でつくる組合によると、嶺北の約9割の給油所はテクノポート福井の油槽所から仕入れており、タンクローリーが頻繁に行き交う。それにもかかわらず、最重点除雪路線に指定されていなかった。

 なぜなのか。県の除雪計画では、最重点除雪路線の目安を▽1日交通量1万5千台以上▽大病院にアクセスする幹線道路▽原発と国道27号を結ぶ幹線道路―などと設定しており、燃料油の補給路を指定対象としていなかった。

 このため県は、県道三国春江線を一つ格下の第1種路線に位置付け、今回のような異常降雪時には降雪後5日以内の2車線確保を目標に掲げている。しかし、給油所はおおむね3~4日のペースで在庫を補給する必要があるため、除雪に5日かかると在庫切れにつながる恐れがあった。

 不安は現実となった。組合の担当者は「6日の夕方に給油所から在庫切れを懸念する声が相次ぎ、すぐに補給路の優先的な除雪を県に申し入れた」と話す。ところが、沿線の店舗従業員は「その時点ですでに大型車の立ち往生が多発し、車両の除去は7日朝まで続いていた」と証言する。給油所関係者の多くも7日午前、「三国方面の除雪が悪いようでタンクローリーを出せない」と訴えていた。結局、県の大雪災害対策本部会議で報告された除雪の完了時間は7日午後2時だった。

 県の対応が後手に回り、各給油所では在庫切れが続発した。勝山市では7日午後、市関係の車両を使った除雪を断念。9日には永平寺町の給油所に補給するため県が自衛隊に災害派遣要請をする事態となった。関係者の一人は「県は最優先で除雪すべき路線をもっと考えるべきではないか。あまりにも無計画だ」と苦言を呈した。

 除雪を担当する県道路保全課と、組合との連絡窓口の県産業政策課は「燃料の輸送まで考慮していなかった」と認識の甘さを認め「除雪路線の考え方を見直す必要がある」と語った。

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