【論説】大雪もきょう、あすと小康状態になりそうだ。37年ぶりの積雪となった県内では屋根の雪下ろしが本格化する。連日の除雪作業で体が悲鳴を上げている人も少なくない。くれぐれも無理をせず作業にあたってもらいたい。

 特に高齢の人は注意が必要だ。国土交通省のまとめによると、平成に入って雪害による死者数は全国平均で100人近い。2012年から14年の3年間では214人が亡くなっている。屋根の雪下ろしなどの除雪作業中が76%で、その8割が65歳以上の高齢者という。県内でも先月、永平寺町内の83歳男性が雪下ろし中に転落死した。けが人も多数出ている。

 雪下ろしの注意点として、転落防止の命綱や長靴に滑り止めの荒縄を巻くこと、1人で作業をしない、滑りやすくなるため全部の雪を取らず20〜30センチを残す―などが挙げられる。

 さらには、寒さで血管が収縮し心筋梗塞などを引き起こす可能性もあり、防寒対策にも留意してほしい。作業前の準備運動、こまめな水分補給も心掛けたい。

 若い頃、三八、五六豪雪などを経験し「これくらい」といった自負もあろうが、過信は禁物だ。スコップなどに思った以上の雪の重みが掛かり、体を持っていかれることもある。細心の注意が必要だ。

 親族が近くにいる人は頼った方が賢明だが、それもかなわない場合は、自治体に相談して業者を依頼する手もある。

 ただ、11日あたりから次の寒気が入り、新たな積雪予報も出される中、何とか一両日中にと、気がせいている人も少なくないはずだ。その後のシベリア寒気団の行方も気になる。雪下ろしの目安は「ふすまやドアの立て付けが悪くなったら」とされるが、慌てず対処してもらいたい。

 福井市内などでは、待てど暮らせど、肝心の除雪車が来ない、そんな状況が続いている地区も多いようだ。生活道路の除雪が進まないため、仕事は無論、食料品や燃料などの買い出し、通院もままならない家庭も少なくない。市は7〜12日に掛けてブロックごとに除排雪を実施するとしているが、きめ細かな情報提供が必要ではないか。

 特に、街中では雪を捨てる場所がなく途方に暮れている家庭もある。除排雪のタイミングが分かれば、対応も可能だろう。自治会や町内会によっては、何ら情報が伝わらないところもあるという。身近な生活情報は住民みんなで共有したい。そうした横のつながりが高齢者を孤立させない取り組みにもなる。災害時の共助をもっと発揮したい。

 40代から20代の若い層には豪雪の経験が皆無の人も多い。圧雪道を猛スピードで運転したり、シャーベット状の雪や、たまった融雪水がある道路をお構いなく走り抜けるドライバーを見かける。暖冬続きで雪国のマナーや心が育っていないのではないか。災害時ならではの教訓を、経験者がしっかりと伝えていかなければならない。
 

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