除雪作業に取りかかる陸上自衛隊員=7日午前2時ごろ、福井県あわら市下金屋

 約1400台が立ち往生した国道8号。吹き付ける雪と氷点下の中、身動きがとれなくなったトラックの周りを、夜を徹して自衛隊員がスコップを手に力強く除雪していった。夜が明けると、燃料や食料不足も深刻に。自衛隊員が安否を確認して歩く中、丸一日渋滞に閉じ込められた運転手らの表情に疲労と不安がにじんだ。

 ▼「任務全うする」

 7日午前0時。福井県あわら市牛ノ谷の集落に車を置き、ザックに食料を詰め、徒歩で国道8号の現場に向かった。外は冷たい風とともに容赦なく雪が吹き付けた。携帯していた一眼レフはすぐに凍った。

 国道の牛ノ谷交差点に出ると、つららを無数につり下げたトラックが、膝上あたりまで積もった雪に埋もれ延々と列をなしている。40分かけて福井市方面へ1キロほど南下。多数の自衛隊員が見えた。

 約60人が大きなザックを背負い、ヘッドライトで足元の雪を照らす。約10人の班に分かれ行動し、「作業開始」の合図が飛ぶと、ザッ、ザッとトラックの前約5メートルを1台ずつ、スコップで次々除雪した。男性隊員の1人は「このような経験は初めてだが、我々は任務を全うするだけ。一刻も早く渋滞を解消させるため頑張りたい」と力強く話した。

 福井県敦賀市に向かっていたトラック運転手、松本一男さん(59)=金沢市=は「6日午前6時半ごろから動けなくなった」と疲れた様子。「自衛隊が夜7時ごろにおにぎり2個と水1本を届けてくれた。食料を積んでいなかったので本当にありがたい。今は空腹だが、食べ過ぎてトイレに行きたくなっても困るし…」。届け先の客からは予定時間に間に合わないためキャンセルされ「金沢に戻りたいんだけど、戻ることもできない」と困っていた。食料が底をついたと聞き、手持ちのチョコレートを渡すと「助かる、ありがとう」と大事そうに受け取ってくれた。

 
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